ある集まりで友達が会議の議事録をWindowsPCでとっていたときに、ちらっとのぞいたら、Wordで議事録をとっていました。そうですよね。一般人は文字を入力するのに、Wordを使います。Windows標準のメモ帳は機能が圧倒的に低いので使わないでしょうし、高機能なWordを使うでしょう。一般の方には Word が高機能かもしれません。
でも、プログラマというプログラムを作るために文字を入力する人たちは、もっともっと文字入力に最適化されたツール、テキストエディタを使います。Wordはワープロソフトですので、テキストエディタとはやや異なるソフトです。Wordでプログラム書く人がいたら、それは極めて変人かもしれないです。私達の業界ではWordでは戦えません。
テキストエディタ
世の中には、テキストエディタはたくさんあふれています。開発者がソフトウェアを作るわけですが、その開発者が「欲しい!」と強く思うものがテキストエディタだからだと思いますが、とにかくたくさんあります。
昔の話をしますと、1995-2010年ころまででしょうか、Windowsでは、秀丸エディタとか、EmEditor が開発者の間でよく使われていたような気がします。あるいは無料の場合 TeraPad や さくらエディタ が人気だったでしょう。これらは多くの人に愛用される理由のある非常に高機能なソフトウェアです。海外ソフトでは Notepad++ というソフトもあったようですが、メジャーじゃなかったような感じでした。
海外のテキストエディタは日本語の扱いがあまりうまくいってなかった、ということも理由にあるとは思いますが、日本の技術力が十分に高いということもあったとは思います。日本がプログラミングの業界で先端を走ることは、かなり稀ですが、テキストエディタの分野では一時代を築いていたと言えるとは思います。
また、Windows系ではない世界、特にLinux 周りでは Vim や Emacs というソフトウェアが業界標準というものでした。これらはターミナル上で動くソフトウェアです。
そして現在。
Web業界は、ほとんど必ず Linux を使う機会があるために、MacOSが人気となっています。MacOSは Linux と同じ Unix系の BSD というOSをベースにしてから使いやすいんですよ。Unix系なので Vim や Emacs が一定の人気を得ているとともに、Windowsのような普通の(つまりターミナル上ではない)テキストエディタが人気になってきました。
SublimeText や Atom という、Mac でも Win でも動作するものが、また、ちょっと流行ったりしましたが、もう、すでにちょっと廃れてきたりしました。数年スパンの話で、めちゃくちゃ流れの早い業界で恐ろしいです。。以前に覚えたエディタの使い方を、また違うエディタでは覚え直さなければいけないので、気が滅入るところがあるのが恐ろしいということです。なれたものから乗り換えないという選択肢をする人もいますが、そうすると多くの人が使っているはやりの機能が流行から遅れたテキストエディタにはなかったりして不便、ということがあって悩ましい所。
なるべくなら、数年で使い物にならなくなるようなものではなく、一度覚えたらこれが最高!となるような定番ツールが欲しいわけですね。
それが、VSCode(Visual Studio Code) になります。これがWeb開発者の中で、標準ツールになっていくと思います。
VSCode
Visual Studio Code を省略して VSCode と呼ばれます。Microsoft の提供している無料のソフトウェアです。テキストエディタとしての文書入力機能だけではなく、様々なツールとの連携機能を持っています。
現在のWeb系の最新開発とは異なる、少し昔の開発には、テキストエディタだけではなく、テキストエディタやデバッガなども含む統合開発環境(=IDE)というものがよく使われていました。
Windows系(C#やVB.NET)では Visual Studio というものですし、Java系ではEclipse というものでした。これらは機能は豊富でしたが、Macでは少し扱いにくい、のと、JavaScript や Python, Ruby, PHP, などのWeb系の言語を使うのに使いやすいというものでもなかったので、Web業界では普及しなかったようです。Web業界やJava系として流行り初めてきていたのは InteriJ IDEA というもので、これらの愛用者も多くいたみたいです。
そんな中、マイクロソフトが MacとWindows両方向けの最新のWeb開発用のテキストエディタとして、あるいは、統合開発環境として、Visual Studio Code を作り、無料で配り、それが現在(2018年)、大ヒットしています。Windowsでの標準開発環境といえる Visual Studio とは名前が似ているだけで、全くの別のソフトウェアです。 マイクロソフトはWeb開発では出遅れていた感がありましたが、Web開発者の心をしっかりとらえて、普及させてきたみたいですね。無料だからマイクロソフトにどういう益をもたらしているのか、という狙い所の正確なところはわかりませんが、Web開発者としてはありがたく利用させてもらうのがよいでしょう。
VSCode には Microsoft の開発環境のノウハウがぎっしりとつまった上で、Microsoft が苦手としてきたオープンソースの文化も取り込んで多くの人に使いやすいように1から作られているので、非常に使いやすいものになっています。
Web開発のテキストエディタは VSCode 一択だと思っておいてよいと思います。もはやこれに匹敵するものを無料で提供できるところはないでしょう。
最新を追い求める
私は、長年の開発者で、もう20年も業界にいるので、業界の生き抜くコツというが、おそらく10年選手や5年選手と比べて身についています。なので「貴重なアドバイス」ができると思います。確信をもって未来予測できる知識があります。
今、私はJavaScriptで React/Mobx のプロダクトで仕事をしていて、それは この数年で盛り上がってきた技術です。この数年でこれをバリバリかいている開発者はあまり多くはいません。そして自分の立場はソースコードを書かないような管理者的なポジションじゃなく、バリバリと毎日コードを書きまくっています。
野球で例えるとするとプログラマが選手(プレーヤー)であって、プロジェクトリーダーとかSEというのは監督やマネージャーのような選手を支えるような立場になるとします。私はプレーヤーとして、生き残るノウハウをもっているということです。
この業界、20年もやっていると老害扱いされかねませんし、古い技術しか知らなくて新しい技術は知らないので年配の人の意見は何も参考にならない、と思っている人もいますし、実際の所、技術的に古いことしか知らない落ちこぼれて行った人は多数います。同世代でエンジニアとして生きてきた人たちの9割は、落ちこぼれていったかもしれませんが、上位10%として生き残ることはできたでしょう。おちこぼれるとは怖いですよね。でも、9割は落ちこぼれていった、というわけです。
生き残るためには、才能、というよりかは、生き残るコツが必要なのです。
で、前置きをくどくどいって申し訳ないところなのですが、、、その生き残るコツ、つまり「貴重なアドバイス」をします。
Web業界で生き残るためには、「俺最新知ってるよ。当たり前じゃん。お前遅れてるね。」、ということを見せかける程度に「最新」の技術を知っていることをPRしなければいけない。ということです。
ほぼこれに尽きます。
誰しもが VSCode を作ったわけではないです。でも「俺は VSCode 使いこなしているよ。」ということが、一種のステータスになる、ということです。
「SublimeText?」「Atom?」遅れてるね。
「さくらエディタ?」「秀丸エディタ?」なにそれ?古臭い!ダサ!
そう思う人が、Web業界を固めていると言えるでしょう。
だから、今、盛り上がっている VSCode を選択する必要があるわけです。
VSCode以外のテキストエディタをおすすめしているサイトのことは、全て無視して、Web系開発の業界で生き残りたいなら、VSCodeを選択してください。おすすめです。