プログラマ全般

30代-40代で未経験者がITエンジニア(プログラマ)になるための戦略と戦術-その3

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前々回、前回の記事はそれぞれこちらです。

プログラミング言語を何を学ぶのか、というのと、どのようなビジネス分野で仕事するのか、というのを書きました。

端的にまとめると、未来のない.NET系やJavaな言語なんて学んでももったいなく、未来のある言語を学ぶことが大切だということ。同じ1日4時間の勉強時間だとすると.NETやJavaを学んでも投資した分を回収するのは大変ですが、例えばJavaScriptを学べば、その勉強時間がすぐ後に収入につながるからですね。

あとは、SIerなんていう糞業界じゃなくてWeb業界にしておくといいよということ。SIerがいかにクソかというのは今後も書いていくと思うので、うちのブログのいろんな所を参考にしてください。酸いも甘いも(すいもあまいも)噛み締めてきたシニアエンジニアからのアドバイスしておきますが、SIerのような業界に所属しているなんて人生の無駄です。

SIerが無生産に近いのにお金儲けができるようになっている仕組みの中にいると結局は自分のためにもならないし日本の社会(ITに限っておくけど)にとってプラスにならないです。

せっかくIT産業というこの世界の最新のところに身を投じてなにかを行おうとするのなら、SIerみたいな歪んだすごく古臭い体質の所にいてはいけないです。

という意見でした。

で、その続き。

戦略:「どのような契約形態を選択するか」

現在のIT産業においては大きく次のような契約ポジションがあるように思います。

- 自社開発している会社の正社員
- ある会社の仕事をSES契約して行う協力会社の正社員
- ある会社の仕事をSES契約して行うフリーランス

SESというのはソフトウェアエンジニアリングサービス。これは準委任契約を結んで自社ではない会社におうかがいして働く形態です。派遣契約と似ているのですがエンジニアの場合にはその専門性から準委任契約になる場合が多いです。

弁護士や会計士さんが自社ではない会社と取引してお金をもらうのと同じビジネス形態です。

細かく言うとSESではなく派遣社員として別会社にいって開発仕事をする人もいたりしますし、また、SES形態ではなく請負契約でフリーランスや小さい企業として仕事をしている人もいますし、いろいろ細かくいうとSESの契約形態を"偽装派遣だ"とか"偽装請負だ"とかいう人もいたりしますが、そういうのはおいておきます。

ITの業界でおいしい仕事での思いをしたいのならフリーランスしかない

これはもうIT業界でプログラマとして最新の技術を身に着けてその業界の中で戦い、そして技術に見合う報酬を得るのならフリーランス契約しかないです。

人によっては在宅でフリーランスしている人もいると思うのですが、私はSESという形態のフリーランスなのでエージェント経由でお客さんになってもらっている会社さんに毎日社員と一緒な感じで仕事に出て、それなりに社員と同じような働き方をしています。

社員の人たちと同じように仕事をして、同じように雑談をして、同じように結果を出す。

だけど、契約形態が違うんですね。

社員さんと派遣さんの違いと同じように、社員さんと協力会社さんという意味でちょっとだけ違う感じです。

で、同じようにフリーランス契約している人たちと一緒に仕事している肌感覚なのですが、フリーランスで仕事している我々からすると社員になるメリットなんてこれっぽっちもないんです。

ITフリーランスになんのメリットがあるのか。とりあえず、そしてともかく収入面。

まず大きな点は収入です。IT産業での平均年収がおいくら万円という話が出ますが、僕らフリーランスの仲間たちの収入というのは平均年収レベルでカウントされることがまずないのでその平均額に参加もしていないのでいくら高くても平均年収を上昇もさせませんが、ともかく平均年収などは完全無視してもいいくらいはもらえます。

具体的な話をしましょう。

どこかの統計でプログラマの平均年収が400万とか500万とか出ますが、フリーランスのエンジニアをやっていて500万の人はまずいないです。

極めて出来の悪いコミュニケーションしかとれない人でも年600万円(月50万)はくだらないでしょうし、通常は年720万円(月60万円)はいくでしょう。少し実力がついてきたな、というエンジニアなら年840万円(月70万)はいくでしょうし、もう少しうまくやれば年960万円(月80万)、もっと突き抜けて売りになるものがあれば年1080万円(月90万)-年1200万円(月100万)という契約金額になるでしょう。

「個人でそんなに貰えるの?」と、ある人には信じられないかもしれません。でも、フリーランスの自分からするとそれは十分普通に信じられる収入なのです。

正社員契約制度の中にいれば未熟な新人でもすごくできる人でもあるいは無能な老害でも、ともかく大体一律に給与という仕組みにおいてお金が支払われるものなのですが、

フリーランスとなると技術を提供してその分の対価をえるというビジネスの世界になるので、必要な技術を提供できる人物ならそれなりの契約金が掲示されてそれにあわせて仕事をするものです。

もっと上の人は当然いるでしょう。自分が一緒にやっていたコンサルタントもできるような人は月150万円か月120万円の契約をしていたみたいです。その人は個人企業みたいなことをやっていて英語ペラペラで外国人のエンジニアも部下にして使っている人でしたが、そういう付加価値をつければどんどん契約金額というのはあがっていくものです。

なので「エンジニアの平均年収」というものが全く意味をなさないものになります。自分の感覚ですがITエンジニアのプログラマのWeb業界のエンジニアの平均は年収ベースで840万円から960万円のどこかになると思います。

Web業界。RubyとかJavaScriptとかPHPとかGoとかそういうのが使われるような業界ですね。スマホアプリ業界とかゲーム業界はよく知りませんがまた違いもう少し価格が上かもしれません。SIer系のエンタープライズ業界の.NETやJava系では、もう少し低いでしょう。平均は年720万円くらいですかね。

ITフリーランスになんのメリットがあるのか。働き方が自由すぎる。

収入があがってくるといろんな面で自由になってきます。

収入があがるという事はつまりは同業他社(他者)に比べて企業に対してよい価値を提供しているということなのですが、それはつまりは「引く手あまた」という状態なんですね。

そうするとたいていのことは何やっても許されるようになります。

私の知っている、そして尊敬するエンジニアですが、かなり高額の月の契約をとっている優秀なエンジニアのその人は「俺、全然かせいでませんよー」と言ってました。彼は嘘をついているわけじゃなくて本当のことをいっていたんですが、

その人は大抵の仕事で半年くらいしか働かないようにしていたんですね。

半年で仕事をして稼ぎ、次の半年はゲームをして遊ぶという生活をしていたみたいです。「まじかよ!」と思割れるライフスタイルをつらぬいていました。「働き方改革」を本当の意味で実践している人です。

技術スキルが非常にハイレベルだったので「その仕事は自分なら半年くらいでできますよ。でも他の人には出来ないんじゃないですかね?」という感じで仕事していて実際には3ヶ月程度で仕事を仕上げてあとの半年は適当にデバッグをしていたようです。

また1年休んだあとに元の会社からオファーがきてまた働くとかいうことでした。

また、他のフリーランスエンジニアは「赤ちゃんが生まれて子供と一緒に過ごしたいから」という理由で通常は週5日仕事するのに週3日の仕事にさせてもらう、といっていました。ちょっとお金や将来のことを考えて、やっぱり週4日にするとか、現場と交渉してそのような仕事に切り替えていたみたいです。

また、他のフリーランスエンジニアはその会社にとって重要な技術スキルをもっているので非常に重宝されていて週に数日はリモートで仕事するということを認めてもらったりしているようです。毎日通勤はつらいし、田舎の自然があるような場所で暮らしたいから東京から少し距離をおきつつ高収入を得てリモート仕事にしたようですね。

もうね。正社員の働き方改革とかは、ITフリーランスの立場からいうとすでに改革じゃなくて実践モードになってきています。

平均年収には全くカウントされない領域で、俺たちITフリーランスはさっさと何もかもを飛び越えているという自負をしているんじゃないでしょうか。

ITフリーランスになんのメリットがあるのか。責任の範囲が明確。

ITフリーランスとして協力会社の人としてプロジェクトに参加していると、正社員とほとんど同じ仕事をしているのですが理不尽な無駄な社内業務とか不要な書類作りなどからは逃れられる場合もよくあります。

SIerの業界では協力会社のメンバーは下請けとして踏みにじられても耐えるのが仕事でしたが、Web業界では協力会社のメンバーを踏みにじったりしたらその人はすぐにどこか違う会社に逃げてしまうという引く手あまた状態があるので踏みにじられて耐えるというようなこともなくなりました。

なので「この仕事、ほんと開発の仕事とは関係のない糞仕事だな。」という誰も読まなさそうな無駄な設計書の作成などの仕事は行わなくて済むようになったりしました。

SIerの業界にいるSESで参加しているプロジェクトメンバーのみなさまは、そういうひどい仕事をやらされている人もよくいると思います。というか私はそうでした。はやく引く手あまた状態まで持っていってください。そんな糞仕事をやらなくてすみますよ。

ITフリーランスのデメリット。すぐ契約打ち切りになる場合がある。

あります。
自分のスキルが足りないとでも契約打ち切りになりますが、自分のスキルとは無関係にビジネスの都合によって仕事を失う事があります。

しょうがないですね。次の契約をみつけていってください。

理不尽な首の切り方されたとしても生き残る知恵をつけていく必要があるでしょう。

自由契約社会とはそんなものです。

それが嫌なら社員になればいいんじゃないでしょうか。

ですけど、それは「自分の能力で稼ぐ」ではなく「みんなで助け合いの共産主義」なので努力とは無縁。そして収入とは無縁の働き方になることが多いでしょう。

結局の所、契約形態とはなんなのか。

日本は全体的に資本主義のビジネス至上主義のはずなのですが、こと、個別の労働契約については全員で右へならえの集団的「一緒に働いて一緒に富を分配しましょ」という社会主義・共産主義の思想が入り込んでいる変わった社会だと思います。

社会主義と共産主義がそれぞれどう違うのか、は私はよくは知らないので自分で調べてみて欲しいところですが、学校教育である程度学んだのは社会主義共産主義は、誰かが一生懸命働き稼ぎ生産して収入を得たとしても働かない無能なものにも収入が分配されて、そして、結局誰も仕事に対してやる気を失って生産活動を積極的にはしなくなる、というものです。

正社員雇用制度の中にいるとこの仕組みを見抜く事は難しいと思いますが、フリーランスでのビジネスの契約制度を利用して個人で収入を得ているとこの仕組みがよくわかるようになります。

できる新人とできない新人でも同じような給与で仕事させたり、また、活躍していない中堅社員でも新人よりかは高い給与でまかなわなければいけない。そんなシステムは資本主義というか自由契約主義の中にはあっていないものです。

フリーランスになったらわかった。実は糞なのは正社員雇用制度という契約形態。

どの業界でも全て受け入れられるわけではないとは思いますが、IT業界はすでに社会主義共産主義の罠にはまった正社員雇用制度というものが非生産的なものであるという結論は出ています。

なぜならば自社社員だけで開発しているところは少なく、プロジェクトをうまく進めるための優秀な人材を集めるために協力会社にSESという形で外注している会社が非常に増えています。

優秀な人を集めなければプロジェクトがうまくいかないのですからそれは当然そのようにするでしょう。

正社員雇用の契約形態では優秀な人を集める事はほぼできません。ですが、SESの形で高額報酬をつんでもらえれば腕のあるフリーランサーの人たちはいくらでも契約してくれるというわけなんです。

月の契約70万円だったとするでしょう?そしてうちは90万円出しますよ。だからあなたがそんなに優秀ならうちにきてプロジェクト手伝ってくださいよ。と言われたらなんとか前のプロジェクトは終わりにして新しいプロジェクトに参加しますよね。

僕らITフリーランスは腕一本で勝負しているのですからそういうことはある程度当たり前だったりします。

個人として企業と自由契約なんです。

社会主義共産主義システムの中の正社員契約形態では人材あつめに限界がありプロジェクトがうまくいかないので、資本主義自由契約主義を組み込んでプロジェクトをうまく進める。

これがWebアプリ開発業界で起こっている「働き方改革」です。

まとめ。

というわけで長々書いてしまいましたが、30代-40代で未経験者がITエンジニア(プログラマ)になるための戦略と戦術の、軽いまとめです。

まとめながら但し書きも入れます。

- 言語は最新のもの、ニーズがあるものにしぼって勉強しとけ。
- SIerみたいな所はきつくて重労働だからやめといてWeb系にしとけ。
ただし、SIerはたまにスキルを問わない形で外注(SES)として仕事を発注するのでそこで経験年数を1年くらい積むのは賢いやりかた。
- フリーランスのポジションを狙え。
ただし、最初はかなり難しいかもしれないので業界経験年数が1-2年できたら狙うのがいい。狙わないとエンジニアとしてよいことはほとんどない。

こんな感じです。

なんかタイトルと内容が一致していない気もしますが、とりあえず今回はこんな感じです。ご参考にどぞ。

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